2026年6月23日 · コラム

Core Web Vitals (LCP/CLS/INP) を整理する

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Core Web Vitals は、Google が定めた「ユーザー体験を測る3つの指標」です。LCP(読み込み速度)/ CLS(視覚的安定性)/ INP(応答性)の3つで、これらは検索順位の評価要素にも組み込まれています。この記事では各指標の意味、計測ツール、改善の優先順位を整理します。

Core Web Vitals とは

Google は「Web Vitals」というシリーズで様々なパフォーマンス指標を提供していますが、その中でも特に重要視される3つが「Core Web Vitals」です。2024年3月以降、FID(First Input Delay)に代わり INP(Interaction to Next Paint)が正式採用されました。

1. LCP(Largest Contentful Paint)— 読み込み速度

ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間。具体的には、ビューポート内で最も大きい画像 or テキストブロックがレンダリングされる時刻です。

評価 基準
良好 2.5秒以下
改善が必要 2.5〜4.0秒
不良 4.0秒超

LCP の主な原因

  • 大きすぎる画像(特にヒーロー画像)
  • 遅いサーバーレスポンス(TTFB > 600ms)
  • レンダリングをブロックする JS/CSS
  • 遅延読み込みされたフォント

LCP の改善策

  • ヒーロー画像を WebP/AVIF にして適切にサイズ調整、<link rel="preload"> で先読み
  • クリティカル CSS をインライン化、その他は遅延読み込み
  • CDN・ブラウザキャッシュの活用
  • フォントは font-display: swap または事前ロード
  • サーバー応答時間の改善(PHP の処理高速化、DBクエリの最適化)

2. CLS(Cumulative Layout Shift)— 視覚的安定性

読み込み中にレイアウトがどれだけ動くかを示すスコア。突然画像が読み込まれて文章が下にズレる、広告が後から挿入されてボタンの位置が変わる、などの「ガクッ」とした動きを数値化します。

評価 基準
良好 0.1以下
改善が必要 0.1〜0.25
不良 0.25超

CLS の主な原因

  • 画像・iframe にサイズ属性(width/height)が無い
  • Web フォントの読み込みで文字幅が変わる
  • 動的に挿入される広告・バナー
  • ユーザーアクション後に挿入されるコンテンツ(モーダル等)

CLS の改善策

  • <img width="..." height="..."> を必ず指定、または CSS で aspect-ratio
  • iframe(YouTube 等)には固定サイズを CSS で確保
  • Web フォントには size-adjust や フォールバックでサイズ整合
  • 広告枠は最初から固定の高さを確保しておく
  • 動的コンテンツの挿入は CSS transform でレイアウトに影響させない

3. INP(Interaction to Next Paint)— 応答性

ユーザー操作(クリック・タップ・キー入力)から、画面が次に更新されるまでの時間。2024年3月にFIDから置き換えられた新しい指標で、ページ訪問中の全インタラクションを評価します。

評価 基準
良好 200ms以下
改善が必要 200〜500ms
不良 500ms超

INP の主な原因

  • 重い JavaScript の処理がメインスレッドを占有
  • サードパーティスクリプト(解析・広告タグ)の同期実行
  • イベントハンドラ内での大量計算
  • レンダリングを引き起こす DOM 操作

INP の改善策

  • 重い処理を requestIdleCallbacksetTimeout(..., 0) で分割
  • Web Worker でメインスレッドから切り離す
  • サードパーティスクリプトを defer / async で遅延読み込み
  • イベント処理を requestAnimationFrame で適切なタイミングに
  • 不要な DOM 操作(querySelectorAll を毎フレームで呼ぶ等)を削減

計測ツール

1. PageSpeed Insights(Google)

URL を入れるだけで、ラボデータ(実測)とフィールドデータ(実ユーザー)の両方が見られます。改善提案も具体的。

URL: https://pagespeed.web.dev/

2. Lighthouse(Chrome DevTools)

ローカル環境で計測できる開発ツール。Chrome の DevTools → Lighthouse タブから実行。

計測条件をモバイル/PC、低速回線、CPUスロットリングなど細かく設定できる。

3. Search Console「ウェブに関する主な指標」

自分のサイトを Google Search Console に登録すると、実ユーザーのフィールドデータが表示されます。ページごとに良好/改善が必要/不良 のステータスが分かります。

4. Web Vitals 拡張機能

Chrome 拡張機能で、訪問中のページの Core Web Vitals 値がリアルタイムに表示されます。開発中の確認に便利。

改善の優先順位

1位: 重い画像の最適化

LCP に直接効くだけでなく、CLS にも CFLS への効果あり。最大コスパ。

2位: サードパーティスクリプトの遅延読み込み

Google Analytics・SNS埋め込み・広告タグはほぼ全サイトでINPを悪化させます。async / defer を徹底するだけで効果大。

3位: 画像・iframe のサイズ指定

CLS への即効性あり。コーディング規約として徹底するのが理想。

4位: クリティカル CSS のインライン化

LCP の最大ボトルネックは「render-blocking」リソース。Above-the-fold の CSS だけインライン化すると初期描画が早まる。

5位: Web フォントの読み込み戦略

font-display: swap で「読み込み中もフォールバックで表示」が安全。Preload と組み合わせるとさらに高速化。

WordPress サイトでの定番改善メニュー

  • キャッシュプラグイン: W3 Total Cache, WP Rocket, LiteSpeed Cache 等
  • 画像最適化プラグイン: Smush, ShortPixel, EWWW Image Optimizer
  • 遅延読み込み: WP 標準のlazy loading(5.5以降)を活用
  • CDN: Cloudflare, BunnyCDN 等で配信を分散
  • サーバー選び: PHPバージョン、サーバースペック、HTTP/2対応

注意点

  • Core Web Vitals は「ランキング要素のひとつ」だが、コンテンツの質が前提
  • 「スコア100点」を目指す必要はない。「良好(緑)」を維持できれば十分
  • サードパーティタグを大量に入れている場合、ある程度のスコア低下は避けられない
  • モバイルとデスクトップは別評価。モバイルが優先される

まとめ

Core Web Vitals は「速い・崩れない・反応する」というユーザー体験を数値化したものです。これらは検索順位だけでなく、直帰率・滞在時間・コンバージョン率にも影響します。「コンテンツの質」と並んで意識すべき、現代Webサイトの基本品質です。まずは PageSpeed Insights で自分のサイトを計測してみることから始めましょう。